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はじめに
残念ながら私は無駄に試験回数を重ねて、やっとのことでCCIE Lab(R&S)試験に合格することが出来ました。今後受ける皆さんが、無駄な時間とお金を使わなくていいように3回以内で受かるはずの勉強方法を書いてみます。

Blueprint
まず出題範囲を理解することが重要です。このBlueprintに書いてあることはすべて出るという前提で勉強します。Cisco Documentationからそれぞれの項目を探し出してPDF形式で保存しておくとオフラインでの勉強に役立つでしょう。Cisco Pressなどの書籍やRFCなどももちろん熟読します。

実習
おおよその知識を得たら、機材を使って学習を始めます。INEIPexpertのワークブックを使うのが一般的です。私はINEを利用したので、これ以降はINEでの話となります。

INEのワークブックはVolume 1から4までありますが、1と2があれば大丈夫です。1が各技術毎の詳細な実習、2が20のフルラボでの実習となります。そして、いきなりワークブックのVolume 2(フルラボ)を使ってはいけません、Volume 1から始めます。最初からVolume 2を使うと、それぞれの技術の理解が中途半端になります。私はこれで失敗しました。

ただ、いきなりのフルラボがどれだけ難しいかを実感するためにVolume 2, Lab 1をとりあえず試してみるのもいいかもしれません。レンタルラックを使うと準備が簡単です。私は初めて試した時にあまりの複雑さに泣きそうになりましたが、Lab 1が最もレベルが低い問題と知り絶望的になりました。このLab 1のレベルは10段階で5ですが、実際のCCIE Labはレベル7程度と感じる方が多いようです。私もレベル7と感じました。

ちなみにフルラボは初めての場合、答えを見ながらコマンドを入力しても2-3時間は軽くかかると思います。

フルラボの複雑さを理解したらVolume 1を使い、各技術(Switching, RIP, OSPFなど)を一つずつ時間をかけて理解することから始めましょう。こちらの方が結果的に時間はかからないはずです。

まず最初にスイッチから始めます。L2が正しく設定できないとルーティングやその他のものはまったく設定ができないといって過言ではありません。Catalyst実機を使い、時間をかけて繰り返し練習を行います。

その後はRIPやOSPFなどのルーティングに進みます。CCIE Labではスイッチとルーティングで100%取れないとほぼ合格はありません。基本的な技術はもらさずに理解することが重要です。

その後MulticastやMPLS、QoSへ進むわけですが、さらに恐ろしく時間がかかります…。まだこんなにも覚えることがあるのかと思うことでしょう。

Volume 1を一通り学習した後にVolume 2のフルラボに挑戦してみます。lab 20までありますが、もちろん時間の許す限り、繰り返し実習を繰り返します。Lab 20まですべて、答えを見ずに出来るようになるのが理想的です。

勉強をしているとよく分からない点が当然のことながら出てきます。この時に重要なことは、調べるときにGoogleなどの検索エンジンは使わないということ。なぜならば、試験中に検索は出来ないから…。オンライン上のドキュメントはいつもCisco Documentationからリンクを辿って調べる癖をつけましょう。Cisco Documentationは非常に複雑な構造で、理解するのに時間がかかります。普段から利用していると、試験の時にあれはどこにあるのか、ということで悩まずにすむでしょう。もちろん勉強中はCisco PressやRFCからも調べます。

対策クラスを受けてみる
独学は効率が悪いので、周りにCCIE保持者がいない場合は一度は対策クラスを受けることをお薦めします。ただ何も分からない状態で受けてはお金の無駄ですので、Volume 1を一通り勉強して、Volume 2を少し試してからがいいでしょう。普段疑問に思っていた点などをまとめて講師に質問すれば、充分に元は取れると思います(私は受けていないので希望的観測ですが)。またCCIE合格者がどのように設定を行うかということを目の前で見ると、自分のレベルがよく把握できるはずです。

トラブルシューティング対策
INEのワークブックであればVolume 4がトラブルシューティングとなります。デバグコマンドの解説がすごく役立つのですが、私はVolume 4はなくても問題ないと思います。通常の勉強時にあえてこのコマンドを入れないとどうなるか、Aと入れるべきところをBとするとどうなるかという練習を普段から繰り返すことで対応出来るようになるためです。

試験を受けるレベルを計る
自分の気分で試験を受ける日を決めてはいけません。必ず受けてもいいレベルになったことを確認してから、試験日を設定します。理解が浅い状態で試験を受けると、問題内容そのがまったく理解できずに終わる可能性が高いのです。一度試験内容がまったく理解出来ない様で、終了時間を待たずに帰ってしまった方がいました。わざわざ外国から受験のために新宿へ来たようでしたが…。

自分のレベルを計るためにはMock Labが適当でしょう。試験とまったく同じように30分の休憩を挟み、合計で8時間。CiscoDocだけを使って試してみます。これで60点程度取れれば試験を受けて問題ないレベルです。なぜ実際の合格点である80ではなく60点かというと、Mock Labは実際の試験よりも難しく、そして実際の試験まで弱点を復習できるからです。ちなみに私が最後に受けたときは58点でした。

試験を受ける
実際に試験を受け始めたら、合格するまで毎月受け続けることをお薦めします。半年など期間を置くと、試験の感覚を取り戻すことに時間を取られますのでお薦めできません。1回目、2回目の試験後にじっくり勉強が出来る時間が必要です。最低3ヶ月は仕事が忙しくない、または適宜休みを取れる期間を用意しましょう。

試験1回目
とにかく、試験問題を注意書きを含めて繰り返し読みましょう。何をしてよくて、何をしてはいけないのかをよく理解出来るようにします。各々の問題だけを見るとそれほど難しくはないのですが、それが前後の問題にどの様に関連してくるかという点が重要です。そして問題をできる限り細かい点まで記憶します。もちろん試験終了後はそのまま落ち着ける場所に移動して、記録します。

また当然のことながら試験会場の利用環境が、自分が普段行っているものと異なります。端末の設定方法等を確認しましょう。フォントのサイズなどを変更することが可能です。

結果はほとんどの場合、終了後12時間以内に届きます。セクション毎の配点を見て、何が正解でどこが間違いであったかを推測します。ひと月後の試験まで、このテスト問題をすべて解析してシミュレーションを繰り返しましょう。ちなみに合格した場合には配点比率は届きません。

試験2回目
2回目は問題をひと通り解き、1-2時間の見直し時間を持つことが目標です。もちろん問題はできる限り記憶して記録します。

そして1回目と同じように、テスト内容をすべて解析してシミュレーションを繰り返します。二度受けると凡その試験パターンが読めるようになるはずです。

試験3回目
3回目はもちろん、合格を目指します。問題をよく読んで慎重に設定を行います。とにかく一ヶ所でも間違いがあると修正に時間がかかる場合があるので、見直しの時間を計算して確実に進めましょう。

終了後はもちろん、不合格という最悪の結果に備えて問題を記録します。合格するまで気を抜かず受け続けることをお薦めします。一度休んでしまうと元に戻すのがとにかく大変なので…。

おわりに
最後になりますが、もっとも重要な事は"メゲない気持ち"だったりします。合格するまで長期間、勉強を続けるのは本当に大変なことです。集中的に時間を作り、Lab試験のための勉強開始から1年半以内くらいで合格を目指すのが望ましいでしょう。

CCIEを目指す人へのアドバイス

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Ccierouting_and_switching_uselogo_4 はじめに
多くの人が書いていますが、CCNAの次がCCNP、そしてその次がCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)ではありません。CCNPとCCIEはまったく別であり、比較対象にはなりません。私はこのことをよく理解せず、軽い気持ちで始めてしまい後悔しました。一度勉強を始めて時間とお金を投入してしまうと、後に引けない状態になります。よく考えて調べてから、CCIE挑戦を決めましょう。

時間
まず何より勉強できる時間の確保が重要です。社会人にとっては何よりもこれが切実な問題でしょう。平日は残業なしで帰って勉強、土日は丸一日勉強に当てるという期間が一年は必要です。そして試験を受け始めたら、受かるまで毎月受け続けることをお薦めします。途中で休みがあると、再び思い出すためにかなりの時間を取られるためです。私は忙しいために試験を受けては勉強を休んで仕事、を繰り返したため時間がかかってしまいました。とにかく勉強できる時間が確保できないのであれば、止めたほうがいいでしょう。

通常であればまずCCIE Writtenに合格してからCCIE Labの勉強を始めると思いますが、もし長期的に考えているのであればWrittenとLabを並行して勉強することをお薦めします。CCIE Writtenの有効期間は3年。だらだらやっているとLab試験を受けようとした時にWritten無効になっている可能性があります。試験のための時間が取れることが確定してから、Writtenを受けるのは悪くない考えと思います。

お金
一度で受かることはあまりないので、会社が試験料を出してくれない場合はとりあえず3回分を確保しましょう。当然のことながら、関東圏外の方は新宿までの旅費も3回分必要です。来月受ければ合格できると、思った時にお金がないというのは最悪です。ちなみに未だに東京では試験料は振込のみで、クレジットカードは受け付けていません。

Cisco Pressなどの書籍代。INEIPexpertなどのワークブック代も必要です。これらの値段は高が知れていますが、買ってみると、それらを読んで理解するのにどれだけの時間が必要かを想像しゾッとすることでしょう。

勉強のための機材(ルータ、スイッチ)がもちろん頭の痛い問題になります。

機材
ルーティングだけであればDynamipsでほぼ済みますが、スイッチングのサポートは不完全なのでCatalystは実機が必要です。会社などで自由に触れる環境がないのであれば、買うしかありません。とにかくL2に苦手意識があると絶対に合格は無理です。スイッチの練習には時間をかけましょう。

DynamipsはクアッドコアCPUで4GBメモリあるマシンを1台用意すれば、実用的なフルラボの構成が可能です。PCは10万円もせずに用意できますが、試験用のIOSの入手が面倒でしょう。私はDynamips専用マシンをLinuxで構築し、Windowsから接続して練習していました。

勉強方法
独学はお薦めできません、経験者の私は痛感しています。独学はとにかく恐ろしく時間がかかります。どうでもいいことを時間をかけて調べたり、重要な点をずっと見落としていたりしました。周りにCCIE保持者がいない、質問できる人がいないのであれば、一度はCisco 360 Learning Programなどのクラスを受けるといいでしょう。かなり高いですが実際にCCIE保持者がどのように設定するかなどを直接見て、普段疑問に思っている点を質問できると理解が一気に進むと思います。私は受けたことがないので、あくまでも想像ですが…。

色々書いてみましたが、もし私にお役に立てることがありましたら、いつでもご連絡下さい。

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CCIE受験勉強(Written, Lab)のために購入した書籍です。これは買ってよかった一覧表。

  1. Routing TCP/IP, Volume 1 (2nd Edition) (CCIE Professional Development)
  2. Routing TCP/IP (CCIE Professional Development): Volume 2
  3. CCIE Practical Studies, Volume II (CCIE Self-Study)
  4. CCIE Routing and Switching Exam Certification Guide (3rd Edition)
  5. BGP Design and Implementation (Networking Technology)
  6. Cisco Catalyst QoS: Quality of Service in Campus Networks (paperback) (Networking Technology)
  7. Cisco QOS Exam Certification Guide (IP Telephony Self-Study) (2nd Edition)
  8. MPLS Fundamentals
  9. MPLS Configuration on Cisco IOS  Software (Networking Technology)
  10. 改訂新版 Cisco Catalyst LANスイッチ教科書
  11. CCIE Routing and Switching v4.0 Configuration Practice Labs [Kindle Edition]

とりあえず、お約束の1と2は買って損はないでしょう。これからまた時間のある時に読み返したいと思っています。11は最近出たもので、Lab試験の参考になります。ただ印刷したものがありません。CiscoPress版よりもKindle版の方が使い勝手がいいです。

私が買い始めた頃は印刷した本が普通だったけれど、これから新規で買うのであればKindleなど電子書籍にした方がいいかもしれません。これらの本はとにかく分厚くて重いので、たくさんあると邪魔になりす。それに持ち歩いて読むのは現実的ではない…。まぁ本を分割して必要な分だけを読む方もいらっしゃるようですが、Kindleに全部入っていればいつでも必要なところをひろって読めるんですよ。結果的に私は電子書籍で勉強したわけではないので、あまり説得力はありませんが…。

こちらは買わなくてもよかったかも一覧表。

  1. CCIE Routing and Switching Practice Labs (Practical Studies)
  2. CCIE Security Practice Labs (CCIE Self-Study) (Practical Studies)
  3. Inside Cisco IOS Software Architecture (CCIE Professional Development)
  4. 802.11 Wireless LAN Fundamentals

もちろんCCNP受験時のBSCIやBCMSNの教科書も役に立ちました。

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2009年9月に失効したCCIE Writtenであるが、10月に再受験をした。1回目を受けた時にはかなり難解に感じたものだが、さすがに2回目はかなり楽だった。進歩はしているらしい…。

そしてその2009年10月よりCCIE R&SがVersion 4.0となった。トラブルシューティングが追加され、新しい技術も増えている。中でもMPLSは今までまったく経験のないものであった。年が明けた1月はほぼ丸々、MPLSの勉強にあてた。IEWBはversion 5になっている(オンライン版で無料更新)。

これまでは古いLinuxマシンでDynamipsを使っていたが、2009年暮れに新しい専用PCを購入した。クアッドコア、4GBメモリでありフルラボ構成(ルータ13台)でも快適に作業ができる。これで8万円もしないのだからありがたい。ラボ学習の勉強効率が素晴らしく上がったことは言うまでもない。

年前半は比較的に忙しく、試験を受けられるのは夏以降になりそうだった。今年こそ合格する。今までは一度受けると、次まで時間が空いておりこれが大きな問題であることは明白である。これからは合格するまでひと月毎に受けると誓った。

そして静かな8月の日を迎えた。

5回目: 2010.08.18

7:35
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドでいつもの朝食と復習。

8:15
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。お盆ということもあり、私ともう一人だけである。

9:03
試験開始。今回より2時間のトラブルシュートが追加された。また問題も含めすべてがモニタで提供されるようになった。今回は新しい試験の様子見という思いがあり、ゆっくり進める。初めてみるとトラブルシューティングは半分しか分からない…、かなりショックである。その後、コンフィギュレーションへ進んだが、非常に重要な問題ででつまずいた。しかし、とりあえず最後まで問題はこなした。

17:25
試験終了。朝のマクドナルドに戻り、出来る限り今日の問題を思い出しメモした。

結果が来たのは翌朝7:30であった、見るまでもなく"FAIL"である。問題ない、今回の経験を活かして次回につなげるのだ。

6回目: 2010.09.28

決意通り、ひと月後に再び受験。

7:35
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドでいつもの朝食と復習。

0820
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。

0900
試験開始。前回はゆっくり進めたが、見直す時間を取るために早く回答することを心がける。トラブルシュートは前回より進歩している。コンフィギュレーションにはかなり複雑な問題がある、そして新しい試験項目から次々と出題されたが、慣れていないこともあり、対応できない…。

1730
終了。電車の中で問題の詳細なメモを取った。

当然ながら結果は"FAIL"。全体的にはスコアが上がっているので次回での合格を目指す。

CCIE Lab 受験記 その2 絶望編

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Ccie_books 今までは仕事が忙しく、勉強する時間が取れないことが悩みの種であったが、意外な形で問題は解決した。「リーマン・ショック」である。2008年中は忙しかったものの、年が明けてからはやたらと静かな生活になっていった。仕事が減ることは嬉しいことではないが、やっとこれで合格を目指して勉強できる。1月から3月まで今までになく時間をかけ、IEWBの問題を繰り返し練習した。

今回よりコンフィギュレーションの前に30分のCore Knowledgeという記述式の試験が追加されている。

3回目: 2009.03.23

7:30
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を食べながらメモを見返す。

8:25
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。今回は全員で8人。

9:10
試験開始。まず最初に4問の記述テストがあり、キーボードで答えを入力する。最大30分のところを10分で終了し、コンフィグレーションを開始した。

最初の2問が悩んだが解決。その後はさらさらと進んだ。昼食までにはほぼルーティングは終了。昼食後に問題もあったがドキュメントを見て解決した。全体を2回見直す時間もあり、pingも全体に届いている。これでもし落ちたのならどうすればいいのだろうかと、ずっと思っていた。

17:55
試験終了、朝と同じマクドナルドに戻り問題をメモした。

24:30
結果が届く。"PASS"を期待して開くも、またも"FAIL"である。衝撃で言葉にならない。全体として前回よりはいいという程度であり、合格には程遠い。また楽勝と思っていた記述テストもミスがあったらしい。今までの勉強方法は全く意味が無いのかもしれない。

4回目: 2009.06.25

5月に現在のR&S試験は10月より新しい試験内容に変わると発表があった。かなり大幅な変更であり、どう考えてもまずい。必ず10月までに受かる必要がある。

3月までは比較的静かであったが、4月以降仕事は順調であった。今までは試験を受ける間隔が長すぎたのも問題であり、今後は受かるまで短期間で再受験することにした。

前回より3ヶ月、今まででもっとも望ましい状態での受験だろう。記述テストは簡単だった。コンフィギュレーションはいつものように多分出来だろう、という感じだった。

この日は19時には結果が来ていた。そして4回目も"FAIL"である。記述テストは全問出来ていたが、コンフィギュレーションは前回とあまり変わらない。この3ヶ月間自分は何をしていたのだろうか…。この日から数日間は呆然自失の状態であった。

そしてこの後、さらに落ち込む出来事が発生した。受かるまで毎月受けるつもりでいたにもかかわらず、試験会場に空きがないのだ。10月の変更に向けて受験者が殺到しているらしい。この際だから多少金がかかっても構わない、北京かシドニーで受けることも考えたがやはり空きがない。世界中のどの会場を見ても無理だった。

毎日専用サイトで空きを確認したが状態は変わらなかった。とすると新しい試験を受けるしかない。試験の情報が出回るまでは半年くらいはかかるであろうから、次回受けるとすると来年の3月以降だろうか。

そしてさらに残念な出来事が発覚する。CCIE Writtenの失効である。CCIE Labを受けるためにはCCIE Writtenという筆記試験に合格する必要があるのだが、有効であるのは合格後3年間であり、それを過ぎてもCCIE Labに合格できない場合はやり直しとなる。またWrittenを受けるのか…。CCIEを目指して以来、最大の屈辱だった。

CCIE Lab 受験記 その1 希望編

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Iewb_2 勉強のために購入したInternetwork ExpertLab Workbook version 3.03(以下 IEWB)が届いたのは2007年1月11日だった。この教材を使いCCIE Lab試験対策を始めたのだが、仕事のあまりの忙しさで捗らず、当初は初夏に受ける予定が秋になり、そして結局12月になった。ただこの時点で筆記試験の合格(2006年9月)からすでに1年以上が経っており、この辺りでとりあえず一度は受けないときりがないという意味合いも強かった。この時点では全部で20あるIEWBのシナリオは半分の10個をとりあえずやってみましたという程度であり、合格のレベルには程遠い状態だ。であるにも関わらず、ひょっとしたら受かるかもと呑気に思っていた…。

1回目: 2007.12.19

07:40
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を取りつつ復習をする。

08:15
初めてとなる新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。すでに5人来ており、この日は計6名だった。プロクタ(試験監督官)のジェームスさんにはこの後何度も会うことになる。試験の説明が長引き、開始時間がやや遅れた。

09:15
試験開始。問題は印刷したものがクリップで綴じて配られることを想像していたが、クリアバインダに入っていた。つまり問題には書き込みができない。想定外の出来事だ。この日のために収集した情報ではとりあえず、問題をゆっくり一通り読んだほうが良いとあり、40分かけて問題を確認する。これなら出来そう、というのがこの時点での感想である。

12:35
受験記ではいつも話題になるお昼のお弁当。美味しく完食して午後に備えた。

13:05
試験再開。この日は1時間ほどかけて全体の見直しをすることが出来た。

17:45
試験終了。自信がないのは3問、それ以外は出来たと思ったので一発で合格かなと脳天気に思っていた。

23:40
そろそろ寝ようかという時間になって報告を知らせるメールが届いた。ドキドキ、ワクワクである。そして結果は"FAIL"であった。1回目だからしかたない、いい所まではいっているであろうと配点を確認する。するとそこにはあまりにも衝撃的な結果があった。自信のあったSwitchingが半分も出来ていない。苦手とはいえかなり勉強もしたセキュリティにいたっては全くダメである。唯一、BGPだけが救いであった。

この時やっと、CCIE Lab試験は想像より遥かに厳しいものだということを理解し始めた…。

2回目: 2008.11.04

当初2回目は夏頃に受けるつもりであったが、ひたすら忙しかった。1回目の経験からかなりの時間が必要だと分かってはいたものの、結局勉強に時間を割けることができたのは8月以降だ。この日を選んだのは、ここで受けておかないとまた来年まで受けられそうにないという後ろ向きな理由からである。そしてこの時点ではIEWBのシナリオ20すべてを確認してみたというレベルであった。ちなみにこの年の3月にIEWB version 4.1を追加で購入している(更新なので安くすんだ)。

07:45
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を取りつつ復習をする。

8:15
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。今回は全員で5人。プロクタは昨年と同じジェームスさんである。

9:10
試験開始。前回と違い、分からないところが明確に分かった。少しは進歩したようだ。しかし問題をよく読まずに進めて、丸々やり直すというミスもしてしまった。そしてこんなミスをどうしたらするのか、という単純なミスもしてしまった。これでは受かるはずもない。

17:40
試験終了。そのままプロントへ行き、分からなかった問題を書き出した。

23:00
結果が届く、もちろん"FAIL"だ。今回は終了時点で結果は分かっていたので、前回から進歩できたかが重要である。そして配点を見るが、Switchingはほぼ完璧である。ただそれ以外はほぼ昨年以下…。一年経って、全体としては進歩ではなく退化である。

合格のためには勉強時間の確保が重要だが、どうすればいいのか。悩みは常にそこにあった。

CCIE Lab 受験記 その4 合格編

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Mitsui_3

7回目: 2010.11.04

06:30
今日が最後の戦いである、と家族に再び伝えて家を出た。もちろんこれは自分への言葉でもある。今年、8月9月とひと月毎にこの試験を受けてきた。過去2回分の分からない点を確認し、繰り返しシミュレーションを繰り返した。今度こそは大丈夫だ。

07:35
いつものように新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドに到着。朝食を取りつつ、印刷したものとiPhoneに保存したデータで最後の復習をした。

08:15
新宿三井ビルディング8Fにある試験会場に到着。いつものプロクタ(試験監督者)ジェームスさんに迎えられる。ジェームスさんに会うのもきっと今日が最後だ。今回は全員で4名、皆私と同じRouting and Switching(以下 R&S)の受験である。1名は韓国からで初めての受験とのこと。残る3名は私と同じ複数回の受験経験があるらしい。

08:30
試験の注意点などの説明、今回はR&Sのみなので説明はすぐに済んだ。

08:45
いよいよ試験開始。最初の2時間はトラブルシューティングである。8月にはじめてこのトラブルシューティングを受けた時は恐ろしく複雑に感じたが、落ち着いて見ていけば必要な箇所はそれぞれ非常に単純である。過去2回はひどく悩まされた問題がいくつもあったが、今回は面白いようにサクサクと進んだ。

ただし、まったく分からない問題がひとつだけある。これだけ勉強してきたのに、まったく知らない問題が出るのはある意味驚きだ。残りの問題を終了後、全体を再確認して保存。残った時間を使いドキュメントを見ながらこの問題を考えたが、結局解決できなかった。ただ1問落としただけならば問題ない、この時点でトラブルシューティングのPassは確信できた。

コンフィギュレーションを始める前に気分転換を兼ねて、トイレへ行きコーヒーをもらってくる。今日はどんな問題が来るのやら…。

10:45
画面に表示されるコンフィギュレーションの問題を一通り読んで、今回はいけると思った。過去2回のシミュレーションが間違いなく、役に立つ。ただし一度ミスをすると修正に時間がかかるので、焦らず確実に進めていく。問題文を何度も繰り返し読んでから設定開始。今まで問題の流し読みで、どれだけ点や時間を失ったことか…。

今までの経験と色々な人の話を聞いた結果、メインのルーティングとスイッチングで点を落としたら合格はない。完璧である必要がある。今まではいつも微妙に出来ていないと感じている点があり、それが相互に破綻して大幅な減点につながっていたようだ。だが、もうそんなミスはできない。

12:15
ルーティングの後半に差し掛かったところで昼食である。前回と同じハンバーグ弁当。私は途中でお腹が空くと集中力が無くなるので、当然ながら完食。この萬作の弁当もこれが最後だな。

12:45
試験再開。スイッチングは完璧である、ルーティングもいつもやっている練習の想定範囲内だ。ただし最後のルーティングの問題が少し複雑であり、曖昧な部分もある。とりあえずジェームスさんに曖昧と思われる点を確認した。設定そのものは簡単だが、下手に勝手に解釈をして減点されては困る。彼はしばらく待ってくれと自分の席に戻り確認をしてくれた。結局こうではなく、あっちでやってくれとのこと。了解しました。曖昧な点は解消されたが、複雑な部分はやや時間がかかりそうだ。とりあえず現在の時点でルーティングループはないし、pingもすべてに通っているので、残りの問題を先に済ませることにした。

しばらく進むと問題が発生。今週復習したばかりで、きっちり確認したはずのものがうまくいかない。入力したコマンドは間違っていないと確信できる。しかし検証しても想定通りに表示されない。おかしい、デバグをかけてみても分からない。仕方がないので最後にドキュメントを確認しながら進めることにした。

その後、しばらくして今日最大の試練が訪れた。あるコマンドを入れたところ、ルータ間の接続がダウンしてしまったのだ。えっ、このコマンドを入れて接続がダメになるはずがない。この試験のために何度も確認しているのに…。しばらく色々試したが原因は分からず、この日初めてその2台のルータを再起動した。

しかし再起動後も問題は変わらない。そしてこの接続が元に戻らなければ、当然ながらルーティングはおじゃんである。今回もダメなのか、頭の中が真っ白になってきた。

気分を落ち着かせるためにトイレに行って、コーヒーをもらってくる。考えてみるが問題は絶対に今入れたコマンドではない。とするとその前の問題で入れた、あのあたりが問題だろう。show runで確認してみると、その先程入れたコマンドの内容が微妙に変わっていた。ありえない、これではダウンするに決まっている。それよりなぜ変わったのか。バグならばそもそも問題を作った点で気がつくはずだが…。気にはなったもののとりあえず、壊れているコマンドを修正。接続は何事もなかったように元に戻った。

そして最後から3問目にこんなの絶対に分からないだろ、というような問題が出た。唯一解決方法にもっとも近いと思われるやり方は、使っては駄目だというおまけ付き。これはもう捨てるしかない。

そしてとりあえず最後まで問題は進んだ。この時点で2時間残っている、いいペースだ。ここでルーティングでやり残した場所に戻った。問題を繰り返し読んで、ミスが無いように慎重にコマンドを追加していく。

ひとまず完成と思うところでルーティングテーブルを見るが、これではダメなような…。ひょっとして、もっと細かくあれを指定すべきなのだろうか。試しにもう少し細かい設定を入れてみる。すると、なるほどこれはきれいなルーティングテーブルだ、と言える状態になった。

これが求められていたものなのか。何となく試験で要求された世界を理解できた気がした。この細かい設定を必要とさせるために、問題の中であえてあれを設定するなと書いてあったのだ。私の理解力もかなり進歩したな。tclshを使い複数のルータから全体にpingを打つ、きれいに"!"が並んでいった。完璧である。

一通り終わったところで、残り1時間30分。理想の展開といえよう、1問目から慎重に見直しを進めた。細かいミスはあったが、全体的には問題ない。最後に残った30分は検証ができない問題に費やした。しかしやはりうまくいかない、なぜだろう。

残り5分との指示があり、最後の保存をそれぞれ2回ずつ実行する。最後の2分で開いているコンソールをすべて閉じて、朝席に座った時と同じ状態に戻した。帰り際、本当であればジェームスさんには「今までお世話になりました、もうここに来ることはありません」と言いたかったのだが、残念ながらその自信はなかった。帰りの電車の中でいつものように今日の問題のメモに書く、もし次回があるなら役に立つように。

18:30
自宅に戻った後、夕食の前に気分転換を兼ねてジムで風呂に入ることにした。試験終了後のリラックスタイムである。風呂の中で出来なかった2問のことを考えていたが、急にルーティングの設定でミスがあったのではないかと思い始めた。あの設定をしていなかったので、あれがこうなっていたのでは…。もしそうであれば致命的である、今回もダメか。この時点で不合格という文字が頭の中を占めていて、ジムからの帰り道はずっと次回受けるのは12月か、何日にしようかと考えていた。

19:40
家に戻ってPCを確認すると、すでに結果を知らせるメールが届いている、速い…。実のところ、結果は今日知りたくなかった。不合格だと暗い夕食になってしまうからだ。しかし今日の配点は確認したい。ルーティングは出来ていたのか、全然ダメなのか。

結果を表示するページの"FAIL"の右にScore Reportというボタンがあり、押すと配点が表示される。今日の日付から、まずFAILを探した。するとFAILが何処にもない…。この時点では結果は不合格と頭の中にあり、それ以外の事には対応出来ていない。FAILでないということはどういう事なのだろう。

数秒後、我に返る。FAILでなければPASSしかない、そして確かにそこには"PASS"とある。この時点で思考はまた停止、何が起こっているかよく分からない。ひょっとして合格なのだろうか。もし合格であればCCIEの番号が表示されるはず。するとPASSの少し上の行に"Certified (CCIE #27404)"とある。本当に合格らしいぞ…。

家の中にいるは自分だけであったためからか、雄叫びを上げるでもなく、泣くでもなく、体は硬直したままだった。何度も何度もPCの画面を見返す。やっぱり間違えでしたと連絡があり、取り消されたらどうしようと考た。しばらくして、これは夢ではないと思うことがやっと出来始め、家族やお世話になった人たちに合格を伝えてた。もちろん大喜びしてくれる。やっと合格を伝えられたよ。

お疲れということで夕食用にワインを買っておいてもらったのだが、それはそのまま合格祝いのワインとなった。ちなみに食事の間、興奮しているためであろうか、ずっと汗をかいていたらしい。

翌朝
さんざん飲んで、朝はゆっくり寝ていようと思ったのだが朝5時にぱっちり目が覚めた。夢でないことを確認するために、昨夜とは別のPCで合格を確認する。大丈夫だ、もう信じてもいいだろう。

この日、致命的なミスをしたと思ったルーティングの設定はちゃんと設問通り設定していたことを思い出した。そしてその後の確認で、検証が出来なかった問題は検証コマンドそのものが勘違いだったことが分かった。とすると完全に出来なかった問題は1つ、微妙なものが1つである。計2問の間違いであれば、たしかに合格圏内だ。

秋晴れの空、世界が今までよりも少し明るく見えた。

NameCertification TypeCertification NumberTrackCertification StatusCertification Date
FUMINORI NAKAMURA CCIE 27404 Routing and Switching Certified 04-Nov-2010

CCIE Lab に合格

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Ccierouting_and_switching_uselogo_3 昨日新宿でCCIE Lab(R&S)の試験を受け合格しました。ここまでにかかった時間や労力は当初考えていたものを遥かに超えています…。

今後はブログを充実させたり、勉強のため我慢していたゴルフの再開などをする予定。"24 -TWENTY FOUR-"とか”Prison Break"もやっと見られるよ〜。

Certified (CCIE #27404)

Lab DateLab LocationCertification TypeLab TypeTest PassedScore Report*Payment Received?Lab Critique**Reread Status
04-Nov-2010 Tokyo CCIE Routing and Switching PASS

*

Paid via Wire Transfer

Submit Critique

CCIE Written(350-001)に合格

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350001 注) 下記文章はCCIE (Cisco Certified Internetwork Expert)というネットワーク技術者向けの資格に関する話です。ちなみにこの資格を得るにはWrittenExam(筆記試験)とLab Exam(実技試験)の2つに合格する必要があり、今回Writtenに受かったよという話です。

この試験は昨年暮れに受けるつもりで教科書などを用意していたものの、仕事が立て込んできて3月になり、6月になりと延び延びになっていた。しかしもうこれ以上伸ばせない事情が…。そう、10月で私のCCNP が無効になってしまうのです。再認定試験を受けるくらいなら頑張ってCCIE Writtenに望んだほうがいいということで、背水の陣での受験となりました。ちなみに1回受けるのに$300(3万円ちょっと)かかります。

ちなみ現在のテスト内容はこんな感じ。

CCIE Written Blue Print

受けてみるとやっぱりBGPが多くてOSPFもそこそこ、QoSもそれなりか。Bridging and LAN Switchingは10問以上あったかも。IPv6とWirelessは3問づつかな。

シミュレーションはなし。構成やコンフィグから判断する問題が多いです。それと複数選択のときはいくつ選ぶかが分かるのでありがたいです。それとCiscoの試験では珍しいですが、戻れます…。

それほどひねくれた問題はなかったように思いますが、なぜかコンフィグがスクリーンダンプでやたら小さく貼ってあったり、IPアドレスの一部が抜けていたり、明らかな誤植や改行がされてないなどのケアレスミスが目立ちます。世界中の人が受けるのだから、もう少し丁寧に作ればいいのに。

テスト時間は150分(非英語圏では30分余計に使える)で100問なので、かなり体力勝負。クーラーで冷えるので長袖を持っていきましょう(私はもちろん着て受けました)。

今回はこれらの本を買ってみました。もちろんCCNPの教科書とCCOも使ってます。ちなみにワイヤレスは3問くらいしか出ないので6はなくてもいいかも…、。このリンクはアマゾンで貼ってありますが、Cisco Pressで買うほうが安いのでお薦めです。

  1. CCIE Routing and Switching Official Exam Certification Guide, 2nd Edition
  2. Routing TCP/IP, Volume 1, 2nd Edition
  3. Routing TCP/IP, Volume II
  4. BGP Design and Implementation
  5. Cisco QOS Exam Certification Guide (IP Telephony Self-Study), 2nd Edition
  6. 802.11 Wireless LAN Fundamentals

今年の夏は仕事以外はずっとこの試験のための勉強をしてました。テストの3日前には今回はもうダメだと、鬱気味になったりして…。一度で受かることが出来てほっとしてます。夏が終わった、という感じ。

とりあえず苦手意識を払拭するためにQoS(642-642)BGP(642-661)を次に受けてみようかと思ってます。Labはまだ当分先ですね。

これからが本当の闘いでしょうか。なにか、踏み入れてはいけない領域に向かっている気もしますが…。

とりあえず、ずっと我慢していた「24 Season 3」を心置き無く、見たいと思います。

Cisco at TEMPEST

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CiscoのNetworking Professional Connection を見ていたらこんなものを見つけました。ただ下記のページはメンバーになってログインしないと表示されないかもしれません。

CCIE Technical Exchange: CCIE number below 1024?

内容はといえば、CCIEの番号は3桁の人を見たことがなく、1025番から始まるらしいって噂を聞いたけど本当?って感じです。

でTerry Slatteryさん, CCIE #1026によると1024はCCIEラボそのものに与えられ、1025はラボを作った男性に与えられたとのこと。ということでテストに受かった最初の人がTerryさんだそうだ。

Well Known Portsを意識したのかどうか。1023番以下は、Well Know CCIE Numberという感じでしょうか…。

ちなみにCCIE が始まる前にはTop Gunと呼ばれるプログラムがあったとのこと。

参考
US Navy TOPGUN

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