「シーラという子」 トリイ・L. ヘイデン (著)
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シーラという子―虐待されたある少女の物語
トリイ・L. ヘイデン (著), Torey L. Hayden (原著), 入江 真佐子 (翻訳)
タイガーと呼ばれた子―愛に飢えたある少女の物語
トリイ ヘイデン (著), Torey Hayden (原著), 入江 真佐子 (翻訳)
これら2つの本はシーラという女の子の話である、実話らしい。原作ではシーラから15年ほど経ってタイガーが出版されたようだが、日本では1996年に続けて出版された。
シーラは14歳の母親に捨てられ父親と暮らす大問題児であり、作者ヘイデンのクラスへやってくる。最初の本でシーラは6歳であり、およそ半年の関わりが書かれている。
いい本だと聞いて図書館で借りてきたものの、タイトルを見て読むのを止めようかと思った。虐待されたと書かれているように、心温まる話ではない。しかし読み始めてみると、止められない。
それまでの人生がひどいものであったものの、シーラは大変頭が良いということが分かり作者はその才能を活かそうとする。シーラはクラスに馴染めなかったものの、作者の努力により心を開いていくかのように見えた。しかしほどなくクラスは終了し、シーラは別のクラスへ送られる。
タイガーはその後、14歳のシーラに再会してからの話である。6歳で別れたシーラはその後もひどい虐待を受け、また6歳の頃の日々をまったく覚えていないということで作者はショックを受けるのだが…。
シーラから作者へ送られたある手紙(詩)、があまりに印象的なこの物語。この2冊は読んで損したとは思わないでしょう。
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