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2010年11月

CCIEを目指す人へのアドバイス

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Ccierouting_and_switching_uselogo_4 はじめに
多くの人が書いていますが、CCNAの次がCCNP、そしてその次がCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)ではありません。CCNPとCCIEはまったく別であり、比較対象にはなりません。私はこのことをよく理解せず、軽い気持ちで始めてしまい後悔しました。一度勉強を始めて時間とお金を投入してしまうと、後に引けない状態になります。よく考えて調べてから、CCIE挑戦を決めましょう。

時間
まず何より勉強できる時間の確保が重要です。社会人にとっては何よりもこれが切実な問題でしょう。平日は残業なしで帰って勉強、土日は丸一日勉強に当てるという期間が一年は必要です。そして試験を受け始めたら、受かるまで毎月受け続けることをお薦めします。途中で休みがあると、再び思い出すためにかなりの時間を取られるためです。私は忙しいために試験を受けては勉強を休んで仕事、を繰り返したため時間がかかってしまいました。とにかく勉強できる時間が確保できないのであれば、止めたほうがいいでしょう。

通常であればまずCCIE Writtenに合格してからCCIE Labの勉強を始めると思いますが、もし長期的に考えているのであればWrittenとLabを並行して勉強することをお薦めします。CCIE Writtenの有効期間は3年。だらだらやっているとLab試験を受けようとした時にWritten無効になっている可能性があります。試験のための時間が取れることが確定してから、Writtenを受けるのは悪くない考えと思います。

お金
一度で受かることはあまりないので、会社が試験料を出してくれない場合はとりあえず3回分を確保しましょう。当然のことながら、関東圏外の方は新宿までの旅費も3回分必要です。来月受ければ合格できると、思った時にお金がないというのは最悪です。ちなみに未だに東京では試験料は振込のみで、クレジットカードは受け付けていません。

Cisco Pressなどの書籍代。INEIPexpertなどのワークブック代も必要です。これらの値段は高が知れていますが、買ってみると、それらを読んで理解するのにどれだけの時間が必要かを想像しゾッとすることでしょう。

勉強のための機材(ルータ、スイッチ)がもちろん頭の痛い問題になります。

機材
ルーティングだけであればDynamipsでほぼ済みますが、スイッチングのサポートは不完全なのでCatalystは実機が必要です。会社などで自由に触れる環境がないのであれば、買うしかありません。とにかくL2に苦手意識があると絶対に合格は無理です。スイッチの練習には時間をかけましょう。

DynamipsはクアッドコアCPUで4GBメモリあるマシンを1台用意すれば、実用的なフルラボの構成が可能です。PCは10万円もせずに用意できますが、試験用のIOSの入手が面倒でしょう。私はDynamips専用マシンをLinuxで構築し、Windowsから接続して練習していました。

勉強方法
独学はお薦めできません、経験者の私は痛感しています。独学はとにかく恐ろしく時間がかかります。どうでもいいことを時間をかけて調べたり、重要な点をずっと見落としていたりしました。周りにCCIE保持者がいない、質問できる人がいないのであれば、一度はCisco 360 Learning Programなどのクラスを受けるといいでしょう。かなり高いですが実際にCCIE保持者がどのように設定するかなどを直接見て、普段疑問に思っている点を質問できると理解が一気に進むと思います。私は受けたことがないので、あくまでも想像ですが…。

色々書いてみましたが、もし私にお役に立てることがありましたら、いつでもご連絡下さい。

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CCIE受験勉強(Written, Lab)のために購入した書籍です。これは買ってよかった一覧表。

  1. Routing TCP/IP, Volume 1 (2nd Edition) (CCIE Professional Development)
  2. Routing TCP/IP (CCIE Professional Development): Volume 2
  3. CCIE Practical Studies, Volume II (CCIE Self-Study)
  4. CCIE Routing and Switching Exam Certification Guide (3rd Edition)
  5. BGP Design and Implementation (Networking Technology)
  6. Cisco Catalyst QoS: Quality of Service in Campus Networks (paperback) (Networking Technology)
  7. Cisco QOS Exam Certification Guide (IP Telephony Self-Study) (2nd Edition)
  8. MPLS Fundamentals
  9. MPLS Configuration on Cisco IOS  Software (Networking Technology)
  10. 改訂新版 Cisco Catalyst LANスイッチ教科書
  11. CCIE Routing and Switching v4.0 Configuration Practice Labs [Kindle Edition]

とりあえず、お約束の1と2は買って損はないでしょう。これからまた時間のある時に読み返したいと思っています。11は最近出たもので、Lab試験の参考になります。ただ印刷したものがありません。CiscoPress版よりもKindle版の方が使い勝手がいいです。

私が買い始めた頃は印刷した本が普通だったけれど、これから新規で買うのであればKindleなど電子書籍にした方がいいかもしれません。これらの本はとにかく分厚くて重いので、たくさんあると邪魔になりす。それに持ち歩いて読むのは現実的ではない…。まぁ本を分割して必要な分だけを読む方もいらっしゃるようですが、Kindleに全部入っていればいつでも必要なところをひろって読めるんですよ。結果的に私は電子書籍で勉強したわけではないので、あまり説得力はありませんが…。

こちらは買わなくてもよかったかも一覧表。

  1. CCIE Routing and Switching Practice Labs (Practical Studies)
  2. CCIE Security Practice Labs (CCIE Self-Study) (Practical Studies)
  3. Inside Cisco IOS Software Architecture (CCIE Professional Development)
  4. 802.11 Wireless LAN Fundamentals

もちろんCCNP受験時のBSCIやBCMSNの教科書も役に立ちました。

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2009年9月に失効したCCIE Writtenであるが、10月に再受験をした。1回目を受けた時にはかなり難解に感じたものだが、さすがに2回目はかなり楽だった。進歩はしているらしい…。

そしてその2009年10月よりCCIE R&SがVersion 4.0となった。トラブルシューティングが追加され、新しい技術も増えている。中でもMPLSは今までまったく経験のないものであった。年が明けた1月はほぼ丸々、MPLSの勉強にあてた。IEWBはversion 5になっている(オンライン版で無料更新)。

これまでは古いLinuxマシンでDynamipsを使っていたが、2009年暮れに新しい専用PCを購入した。クアッドコア、4GBメモリでありフルラボ構成(ルータ13台)でも快適に作業ができる。これで8万円もしないのだからありがたい。ラボ学習の勉強効率が素晴らしく上がったことは言うまでもない。

年前半は比較的に忙しく、試験を受けられるのは夏以降になりそうだった。今年こそ合格する。今までは一度受けると、次まで時間が空いておりこれが大きな問題であることは明白である。これからは合格するまでひと月毎に受けると誓った。

そして静かな8月の日を迎えた。

5回目: 2010.08.18

7:35
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドでいつもの朝食と復習。

8:15
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。お盆ということもあり、私ともう一人だけである。

9:03
試験開始。今回より2時間のトラブルシュートが追加された。また問題も含めすべてがモニタで提供されるようになった。今回は新しい試験の様子見という思いがあり、ゆっくり進める。初めてみるとトラブルシューティングは半分しか分からない…、かなりショックである。その後、コンフィギュレーションへ進んだが、非常に重要な問題ででつまずいた。しかし、とりあえず最後まで問題はこなした。

17:25
試験終了。朝のマクドナルドに戻り、出来る限り今日の問題を思い出しメモした。

結果が来たのは翌朝7:30であった、見るまでもなく"FAIL"である。問題ない、今回の経験を活かして次回につなげるのだ。

6回目: 2010.09.28

決意通り、ひと月後に再び受験。

7:35
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドでいつもの朝食と復習。

0820
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。

0900
試験開始。前回はゆっくり進めたが、見直す時間を取るために早く回答することを心がける。トラブルシュートは前回より進歩している。コンフィギュレーションにはかなり複雑な問題がある、そして新しい試験項目から次々と出題されたが、慣れていないこともあり、対応できない…。

1730
終了。電車の中で問題の詳細なメモを取った。

当然ながら結果は"FAIL"。全体的にはスコアが上がっているので次回での合格を目指す。

CCIE Lab 受験記 その2 絶望編

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Ccie_books 今までは仕事が忙しく、勉強する時間が取れないことが悩みの種であったが、意外な形で問題は解決した。「リーマン・ショック」である。2008年中は忙しかったものの、年が明けてからはやたらと静かな生活になっていった。仕事が減ることは嬉しいことではないが、やっとこれで合格を目指して勉強できる。1月から3月まで今までになく時間をかけ、IEWBの問題を繰り返し練習した。

今回よりコンフィギュレーションの前に30分のCore Knowledgeという記述式の試験が追加されている。

3回目: 2009.03.23

7:30
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を食べながらメモを見返す。

8:25
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。今回は全員で8人。

9:10
試験開始。まず最初に4問の記述テストがあり、キーボードで答えを入力する。最大30分のところを10分で終了し、コンフィグレーションを開始した。

最初の2問が悩んだが解決。その後はさらさらと進んだ。昼食までにはほぼルーティングは終了。昼食後に問題もあったがドキュメントを見て解決した。全体を2回見直す時間もあり、pingも全体に届いている。これでもし落ちたのならどうすればいいのだろうかと、ずっと思っていた。

17:55
試験終了、朝と同じマクドナルドに戻り問題をメモした。

24:30
結果が届く。"PASS"を期待して開くも、またも"FAIL"である。衝撃で言葉にならない。全体として前回よりはいいという程度であり、合格には程遠い。また楽勝と思っていた記述テストもミスがあったらしい。今までの勉強方法は全く意味が無いのかもしれない。

4回目: 2009.06.25

5月に現在のR&S試験は10月より新しい試験内容に変わると発表があった。かなり大幅な変更であり、どう考えてもまずい。必ず10月までに受かる必要がある。

3月までは比較的静かであったが、4月以降仕事は順調であった。今までは試験を受ける間隔が長すぎたのも問題であり、今後は受かるまで短期間で再受験することにした。

前回より3ヶ月、今まででもっとも望ましい状態での受験だろう。記述テストは簡単だった。コンフィギュレーションはいつものように多分出来だろう、という感じだった。

この日は19時には結果が来ていた。そして4回目も"FAIL"である。記述テストは全問出来ていたが、コンフィギュレーションは前回とあまり変わらない。この3ヶ月間自分は何をしていたのだろうか…。この日から数日間は呆然自失の状態であった。

そしてこの後、さらに落ち込む出来事が発生した。受かるまで毎月受けるつもりでいたにもかかわらず、試験会場に空きがないのだ。10月の変更に向けて受験者が殺到しているらしい。この際だから多少金がかかっても構わない、北京かシドニーで受けることも考えたがやはり空きがない。世界中のどの会場を見ても無理だった。

毎日専用サイトで空きを確認したが状態は変わらなかった。とすると新しい試験を受けるしかない。試験の情報が出回るまでは半年くらいはかかるであろうから、次回受けるとすると来年の3月以降だろうか。

そしてさらに残念な出来事が発覚する。CCIE Writtenの失効である。CCIE Labを受けるためにはCCIE Writtenという筆記試験に合格する必要があるのだが、有効であるのは合格後3年間であり、それを過ぎてもCCIE Labに合格できない場合はやり直しとなる。またWrittenを受けるのか…。CCIEを目指して以来、最大の屈辱だった。

CCIE Lab 受験記 その1 希望編

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Iewb_2 勉強のために購入したInternetwork ExpertLab Workbook version 3.03(以下 IEWB)が届いたのは2007年1月11日だった。この教材を使いCCIE Lab試験対策を始めたのだが、仕事のあまりの忙しさで捗らず、当初は初夏に受ける予定が秋になり、そして結局12月になった。ただこの時点で筆記試験の合格(2006年9月)からすでに1年以上が経っており、この辺りでとりあえず一度は受けないときりがないという意味合いも強かった。この時点では全部で20あるIEWBのシナリオは半分の10個をとりあえずやってみましたという程度であり、合格のレベルには程遠い状態だ。であるにも関わらず、ひょっとしたら受かるかもと呑気に思っていた…。

1回目: 2007.12.19

07:40
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を取りつつ復習をする。

08:15
初めてとなる新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。すでに5人来ており、この日は計6名だった。プロクタ(試験監督官)のジェームスさんにはこの後何度も会うことになる。試験の説明が長引き、開始時間がやや遅れた。

09:15
試験開始。問題は印刷したものがクリップで綴じて配られることを想像していたが、クリアバインダに入っていた。つまり問題には書き込みができない。想定外の出来事だ。この日のために収集した情報ではとりあえず、問題をゆっくり一通り読んだほうが良いとあり、40分かけて問題を確認する。これなら出来そう、というのがこの時点での感想である。

12:35
受験記ではいつも話題になるお昼のお弁当。美味しく完食して午後に備えた。

13:05
試験再開。この日は1時間ほどかけて全体の見直しをすることが出来た。

17:45
試験終了。自信がないのは3問、それ以外は出来たと思ったので一発で合格かなと脳天気に思っていた。

23:40
そろそろ寝ようかという時間になって報告を知らせるメールが届いた。ドキドキ、ワクワクである。そして結果は"FAIL"であった。1回目だからしかたない、いい所まではいっているであろうと配点を確認する。するとそこにはあまりにも衝撃的な結果があった。自信のあったSwitchingが半分も出来ていない。苦手とはいえかなり勉強もしたセキュリティにいたっては全くダメである。唯一、BGPだけが救いであった。

この時やっと、CCIE Lab試験は想像より遥かに厳しいものだということを理解し始めた…。

2回目: 2008.11.04

当初2回目は夏頃に受けるつもりであったが、ひたすら忙しかった。1回目の経験からかなりの時間が必要だと分かってはいたものの、結局勉強に時間を割けることができたのは8月以降だ。この日を選んだのは、ここで受けておかないとまた来年まで受けられそうにないという後ろ向きな理由からである。そしてこの時点ではIEWBのシナリオ20すべてを確認してみたというレベルであった。ちなみにこの年の3月にIEWB version 4.1を追加で購入している(更新なので安くすんだ)。

07:45
新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドで朝食を取りつつ復習をする。

8:15
新宿三井ビルディング8Fのラボ室へ。今回は全員で5人。プロクタは昨年と同じジェームスさんである。

9:10
試験開始。前回と違い、分からないところが明確に分かった。少しは進歩したようだ。しかし問題をよく読まずに進めて、丸々やり直すというミスもしてしまった。そしてこんなミスをどうしたらするのか、という単純なミスもしてしまった。これでは受かるはずもない。

17:40
試験終了。そのままプロントへ行き、分からなかった問題を書き出した。

23:00
結果が届く、もちろん"FAIL"だ。今回は終了時点で結果は分かっていたので、前回から進歩できたかが重要である。そして配点を見るが、Switchingはほぼ完璧である。ただそれ以外はほぼ昨年以下…。一年経って、全体としては進歩ではなく退化である。

合格のためには勉強時間の確保が重要だが、どうすればいいのか。悩みは常にそこにあった。

CCIE Lab 受験記 その4 合格編

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Mitsui_3

7回目: 2010.11.04

06:30
今日が最後の戦いである、と家族に再び伝えて家を出た。もちろんこれは自分への言葉でもある。今年、8月9月とひと月毎にこの試験を受けてきた。過去2回分の分からない点を確認し、繰り返しシミュレーションを繰り返した。今度こそは大丈夫だ。

07:35
いつものように新宿第一生命ビル地下にあるマクドナルドに到着。朝食を取りつつ、印刷したものとiPhoneに保存したデータで最後の復習をした。

08:15
新宿三井ビルディング8Fにある試験会場に到着。いつものプロクタ(試験監督者)ジェームスさんに迎えられる。ジェームスさんに会うのもきっと今日が最後だ。今回は全員で4名、皆私と同じRouting and Switching(以下 R&S)の受験である。1名は韓国からで初めての受験とのこと。残る3名は私と同じ複数回の受験経験があるらしい。

08:30
試験の注意点などの説明、今回はR&Sのみなので説明はすぐに済んだ。

08:45
いよいよ試験開始。最初の2時間はトラブルシューティングである。8月にはじめてこのトラブルシューティングを受けた時は恐ろしく複雑に感じたが、落ち着いて見ていけば必要な箇所はそれぞれ非常に単純である。過去2回はひどく悩まされた問題がいくつもあったが、今回は面白いようにサクサクと進んだ。

ただし、まったく分からない問題がひとつだけある。これだけ勉強してきたのに、まったく知らない問題が出るのはある意味驚きだ。残りの問題を終了後、全体を再確認して保存。残った時間を使いドキュメントを見ながらこの問題を考えたが、結局解決できなかった。ただ1問落としただけならば問題ない、この時点でトラブルシューティングのPassは確信できた。

コンフィギュレーションを始める前に気分転換を兼ねて、トイレへ行きコーヒーをもらってくる。今日はどんな問題が来るのやら…。

10:45
画面に表示されるコンフィギュレーションの問題を一通り読んで、今回はいけると思った。過去2回のシミュレーションが間違いなく、役に立つ。ただし一度ミスをすると修正に時間がかかるので、焦らず確実に進めていく。問題文を何度も繰り返し読んでから設定開始。今まで問題の流し読みで、どれだけ点や時間を失ったことか…。

今までの経験と色々な人の話を聞いた結果、メインのルーティングとスイッチングで点を落としたら合格はない。完璧である必要がある。今まではいつも微妙に出来ていないと感じている点があり、それが相互に破綻して大幅な減点につながっていたようだ。だが、もうそんなミスはできない。

12:15
ルーティングの後半に差し掛かったところで昼食である。前回と同じハンバーグ弁当。私は途中でお腹が空くと集中力が無くなるので、当然ながら完食。この萬作の弁当もこれが最後だな。

12:45
試験再開。スイッチングは完璧である、ルーティングもいつもやっている練習の想定範囲内だ。ただし最後のルーティングの問題が少し複雑であり、曖昧な部分もある。とりあえずジェームスさんに曖昧と思われる点を確認した。設定そのものは簡単だが、下手に勝手に解釈をして減点されては困る。彼はしばらく待ってくれと自分の席に戻り確認をしてくれた。結局こうではなく、あっちでやってくれとのこと。了解しました。曖昧な点は解消されたが、複雑な部分はやや時間がかかりそうだ。とりあえず現在の時点でルーティングループはないし、pingもすべてに通っているので、残りの問題を先に済ませることにした。

しばらく進むと問題が発生。今週復習したばかりで、きっちり確認したはずのものがうまくいかない。入力したコマンドは間違っていないと確信できる。しかし検証しても想定通りに表示されない。おかしい、デバグをかけてみても分からない。仕方がないので最後にドキュメントを確認しながら進めることにした。

その後、しばらくして今日最大の試練が訪れた。あるコマンドを入れたところ、ルータ間の接続がダウンしてしまったのだ。えっ、このコマンドを入れて接続がダメになるはずがない。この試験のために何度も確認しているのに…。しばらく色々試したが原因は分からず、この日初めてその2台のルータを再起動した。

しかし再起動後も問題は変わらない。そしてこの接続が元に戻らなければ、当然ながらルーティングはおじゃんである。今回もダメなのか、頭の中が真っ白になってきた。

気分を落ち着かせるためにトイレに行って、コーヒーをもらってくる。考えてみるが問題は絶対に今入れたコマンドではない。とするとその前の問題で入れた、あのあたりが問題だろう。show runで確認してみると、その先程入れたコマンドの内容が微妙に変わっていた。ありえない、これではダウンするに決まっている。それよりなぜ変わったのか。バグならばそもそも問題を作った点で気がつくはずだが…。気にはなったもののとりあえず、壊れているコマンドを修正。接続は何事もなかったように元に戻った。

そして最後から3問目にこんなの絶対に分からないだろ、というような問題が出た。唯一解決方法にもっとも近いと思われるやり方は、使っては駄目だというおまけ付き。これはもう捨てるしかない。

そしてとりあえず最後まで問題は進んだ。この時点で2時間残っている、いいペースだ。ここでルーティングでやり残した場所に戻った。問題を繰り返し読んで、ミスが無いように慎重にコマンドを追加していく。

ひとまず完成と思うところでルーティングテーブルを見るが、これではダメなような…。ひょっとして、もっと細かくあれを指定すべきなのだろうか。試しにもう少し細かい設定を入れてみる。すると、なるほどこれはきれいなルーティングテーブルだ、と言える状態になった。

これが求められていたものなのか。何となく試験で要求された世界を理解できた気がした。この細かい設定を必要とさせるために、問題の中であえてあれを設定するなと書いてあったのだ。私の理解力もかなり進歩したな。tclshを使い複数のルータから全体にpingを打つ、きれいに"!"が並んでいった。完璧である。

一通り終わったところで、残り1時間30分。理想の展開といえよう、1問目から慎重に見直しを進めた。細かいミスはあったが、全体的には問題ない。最後に残った30分は検証ができない問題に費やした。しかしやはりうまくいかない、なぜだろう。

残り5分との指示があり、最後の保存をそれぞれ2回ずつ実行する。最後の2分で開いているコンソールをすべて閉じて、朝席に座った時と同じ状態に戻した。帰り際、本当であればジェームスさんには「今までお世話になりました、もうここに来ることはありません」と言いたかったのだが、残念ながらその自信はなかった。帰りの電車の中でいつものように今日の問題のメモに書く、もし次回があるなら役に立つように。

18:30
自宅に戻った後、夕食の前に気分転換を兼ねてジムで風呂に入ることにした。試験終了後のリラックスタイムである。風呂の中で出来なかった2問のことを考えていたが、急にルーティングの設定でミスがあったのではないかと思い始めた。あの設定をしていなかったので、あれがこうなっていたのでは…。もしそうであれば致命的である、今回もダメか。この時点で不合格という文字が頭の中を占めていて、ジムからの帰り道はずっと次回受けるのは12月か、何日にしようかと考えていた。

19:40
家に戻ってPCを確認すると、すでに結果を知らせるメールが届いている、速い…。実のところ、結果は今日知りたくなかった。不合格だと暗い夕食になってしまうからだ。しかし今日の配点は確認したい。ルーティングは出来ていたのか、全然ダメなのか。

結果を表示するページの"FAIL"の右にScore Reportというボタンがあり、押すと配点が表示される。今日の日付から、まずFAILを探した。するとFAILが何処にもない…。この時点では結果は不合格と頭の中にあり、それ以外の事には対応出来ていない。FAILでないということはどういう事なのだろう。

数秒後、我に返る。FAILでなければPASSしかない、そして確かにそこには"PASS"とある。この時点で思考はまた停止、何が起こっているかよく分からない。ひょっとして合格なのだろうか。もし合格であればCCIEの番号が表示されるはず。するとPASSの少し上の行に"Certified (CCIE #27404)"とある。本当に合格らしいぞ…。

家の中にいるは自分だけであったためからか、雄叫びを上げるでもなく、泣くでもなく、体は硬直したままだった。何度も何度もPCの画面を見返す。やっぱり間違えでしたと連絡があり、取り消されたらどうしようと考た。しばらくして、これは夢ではないと思うことがやっと出来始め、家族やお世話になった人たちに合格を伝えてた。もちろん大喜びしてくれる。やっと合格を伝えられたよ。

お疲れということで夕食用にワインを買っておいてもらったのだが、それはそのまま合格祝いのワインとなった。ちなみに食事の間、興奮しているためであろうか、ずっと汗をかいていたらしい。

翌朝
さんざん飲んで、朝はゆっくり寝ていようと思ったのだが朝5時にぱっちり目が覚めた。夢でないことを確認するために、昨夜とは別のPCで合格を確認する。大丈夫だ、もう信じてもいいだろう。

この日、致命的なミスをしたと思ったルーティングの設定はちゃんと設問通り設定していたことを思い出した。そしてその後の確認で、検証が出来なかった問題は検証コマンドそのものが勘違いだったことが分かった。とすると完全に出来なかった問題は1つ、微妙なものが1つである。計2問の間違いであれば、たしかに合格圏内だ。

秋晴れの空、世界が今までよりも少し明るく見えた。

NameCertification TypeCertification NumberTrackCertification StatusCertification Date
FUMINORI NAKAMURA CCIE 27404 Routing and Switching Certified 04-Nov-2010

CCIE Lab に合格

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Ccierouting_and_switching_uselogo_3 昨日新宿でCCIE Lab(R&S)の試験を受け合格しました。ここまでにかかった時間や労力は当初考えていたものを遥かに超えています…。

今後はブログを充実させたり、勉強のため我慢していたゴルフの再開などをする予定。"24 -TWENTY FOUR-"とか”Prison Break"もやっと見られるよ〜。

Certified (CCIE #27404)

Lab DateLab LocationCertification TypeLab TypeTest PassedScore Report*Payment Received?Lab Critique**Reread Status
04-Nov-2010 Tokyo CCIE Routing and Switching PASS

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